2007 Fiscal Year Annual Research Report
コバルト触媒の特性を活かした自在交差カップリング反応の開発
Project/Area Number |
18205012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶌 幸一郎 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (00111922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依光 英樹 京都大学, 工学研究科, 助教 (00372566)
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Keywords | コバルト / ラジカル / 交差カップリング / ハロアセタール |
Research Abstract |
N_ヘテロサイクリックカルベン(NHC)は電子供与性の強い配位子として有機合成上広く用いられている。特に、パラジウム触媒による交差カップリング反応において非常に有効な配位子である。しかし一方で、NHC配位子を用いたコバルト触媒による交差カップリング反応の例は限られている。我々は、コバルト触媒による交差カップリング反応におけるNHC配位子の有用性について検討を行った。 触媒量の塩化コバルトとSIEt_HC1存在下、6_ハロ_1_ヘキセン誘導体にアリルジメチルシリルメチルグリニャール反応剤を作用させたところ、環化/交差カップリング連続反応が進行した。生成物を玉尾酸化することにより,アルコール体が収率よく得られた。 また、ハロアセタールに対して、触媒量の塩化コバルトとIMes_HCl存在下、1_ヘキシニルグリニャール反応剤を作用させたところ、環化/アルキニル化連続反応が進行することが明らかとなった。生成物はジョーンズ酸化により,ラクトンヘ変換することができた。 また、クロム触媒を用いる反応も偶然見いだした。触媒量の塩化クロム存在下、6-ドデシンにフェニルグリニャール反応剤を作用させたところ、(E)-6-フェニル-6-ドデセンが収率よく得られた。興味深いことに触媒量のピバル酸を加えることで、その反応速度と立体選択性が劇的に向上した。アリールマグネシウム化反応によって得られるアルケニルマグネシウム中間体は様々な求電子剤と反応し、対応する四置換オレフィンヘ効率良く変換することができた。
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