2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18205015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70144128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 泰弘 京都大学, 工学研究科, 助手 (60332730)
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Keywords | 有機ホウ素 / ジイン類 / ヒドロボレーション / 重付加反応 / π共役系高分子 / 蛍光発光 / 有機EL材料 / 非線形光学材料 |
Research Abstract |
本研究では、有機ホウ素の特性、すなわち高い反応性やルイス酸性を高分子設計に活かして、ホウ素原子を主鎖に組み込んだ新しい共役電子系の高分子を創成することを目的とした。具体的には、ジエチニルベンゼンなどの芳香族ジイン類とモノアルキルボランとのヒドロボレーション重合を行うことにより、主鎖部分にフェニレンやアルケニレンなどのπ共役系とともにホウ素原子が導入された高分子が得られた。このような高分子はホウ素原子の空軌道がπ共役系に関与した構造となっており、これまでの共役系高分子とは異なった新しい非局在電子系の高分子として、種々の特異な特性が見られた。 芳香族ジイン類として、ジエチニルベンゼンやジエチニルビフェニル、ジエチニルナフタレン、ジエチニルフルオレンなどを用い、メシチルボランあるいはトリピルボランとのヒドロボレーション重合を行った。その際、モノマーの仕込みモル比や添加速度、温度、溶媒の種類、濃度などの反応条件を変えて検討した。これにより、高分子量のポリマーを得る最適の条件を見出すことができた。さらに、芳香族ジイン類としてヘテロ環を有するジエチニルピリジンやジエチニルチオフェン、ジエチニルピロール、ジエチニルフランなどについてもヒドロボレーション重合を試みたところ、分子内での電子移動により特異な光学特性を示すことが分かった。
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Research Products
(6 results)