2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18205015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (70144128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 泰弘 京都大学, 工学研究科, 講師 (60332730)
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Keywords | 有機ホウ素 / ジシアノ化合物 / ヒドロボレーション / π共役系高分子 / ハロボレーション / フェニルボレーション / アリルボレーション / アルコキシボレーション |
Research Abstract |
本研究では、有機ホウ素の特性、すなわち高い反応性やルイス酸性を高分子設計に活かして、ホウ素原子を主鎖に組み込んだ新しい共役電子系の高分子を創成することを目的とした。具体的には、ジシアノ化合物とメシチルボランとのヒドロボレーション重合などを行った。得られた高分子は、ホウ素原子の空軌道がπ共役系に関与した構造となっており、これまでの共役系高分子とは異なった新しい非局在電子系の高分子として、種々の特異な特性が見られた。 芳香族ジシアノ化合物とメシチルボランとのヒドロボレーション重合により、シクロジボラザン骨格を主鎖に有する共役系含ホウ素ポリマーを合成した。得られたポリマーは、ジイン類のヒドロボレーション重合により得られたポリマーと比べて安定であった。実際、その溶液に空気をバブリングして、その前後のGPCによる分子量変化を測定したところ、全く分解しないことが分かった。 また、ボランモノマーとして、アルキルボランやハロボラン、フェニルボランなどを選び、それぞれを芳香族ジイン類と組み合わせて、素反応としてヒドロボレーションの他、ハロボレーション、フェニルボレーション、アリルボレーション、アルコキシボレーションなどを系統的に検討したところ、いずれの反応も重合として利用できることが分かった。これらによって、様々な構造を有する有機ホウ素共役系ポリマーの合成に成功した。
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Research Products
(5 results)