2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞複雑系での適用をめざしたタンパク質有機化学の新手法開発
Project/Area Number |
18205020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜地 格 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (90202259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王子田 彰夫 京都大学, 工学研究科, 講師 (10343328)
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Keywords | 細胞系 / 有機化学 / タンパク質 / ラベル化反応 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究では、複数の生体機能分子が存在する夾雑系、究極的には細胞破砕液や生細胞そのものといった環境で、特定のタンパク質の特定部位を選択的に認識し、官能基修飾が可能な有機化学的な新しい手法の開発を目指している。本年度は、有機化学における代表的な求核置換反応の脱離基であるトシル基をアフィニティーラベリングの連結部位に用いたリガンド指向性トシル化学(LDT化学)を新たに開発する事に成功した。LDT化学では、炭酸脱水酵素の特定のヒスチジン残基選択的に、蛍光色素やアフィニティタグをラベル化し、同時にリガンド部位が切り出されることが明らかになった。また、この化学は、複数のタンパク質が共存する反応系だけでなく、内在性の炭酸脱水酵素が局在する赤血球中でも、ターゲットタンパク質選択的にラベル化が可能である事が示された。さらには、マウス体内に尾静脈からLDT試薬を打ち込んで反応させると、マウス背っけ宮中では、炭酸脱水酵素選択的なラベル化が起こる事が実証できた。このような内在性タンパク質の生きた動物体内でのラベル化は世界最初の例である。
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