2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁性半導体・半導体ハイブリッド構造におけるスピン三端子デバイス
Project/Area Number |
18206001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新田 淳作 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (00393778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好田 誠 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00420000)
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Keywords | 磁性半導体 / 半導体 / スピン軌道相互作用 / 磁気異方性 / スピン三端子 |
Research Abstract |
半導体InGaAsチャネルを細線化することによりスピン緩和が抑制されることを見出した。さらにゲート電圧によりRashbaスピン軌道相互作用の強さを制御しDresselhausスピン軌道相互作用に近づけることにより、二次元電子ガスの場合と比べて大幅にスピン緩和長が増加することを実験的に検証することに成功した。また、細線構造のスピン軌道相互作用とゼーマン効果を組み合わせることにより、RashbaとDresselhausのスピン軌道相互作用の強度比を伝導実験から求める手法を新たに提案した。実験的にも本提案する手法が有効であることが確認された。 磁性半導体GaMnAs細線構造を作製し、磁気異方性定数及び磁化反転過程を評価した結果、人工的に磁気異方性を導入できることを確認した。磁気異方性定数の温度依存性からT>45Kでは結晶磁気異方性や一軸磁気異方性よりも格子緩和に伴う磁気異方性の方が支配的であることが明らかと成った。また、外部磁場を印加する方向を変えることでGaMnAs細線の磁化回転機構が制御できることを明らかにした。3層GaMnAsダブルバリアトンネルトランジスタ構造の作製条件を最適化し、電流増幅率=コレクタ電流/ベース電流が適当なバイアス条件化で1以上となり増幅機能を得ることに成功した。また、3層GaMnAsのTMR素子とダブルバリアトンネルトランジスタの磁気輸送特性を調べた。3層GaMnAsのTMR素子では,4.8Kにおいて最大30%のTMR比が得られたことから、3層GaMnAs構造をもちいて,TMR効果を有効利用したデバイスの作製が可能であることが分かった。
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