2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 英樹 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (10374670)
松尾 保孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (90374652)
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Keywords | 超精密計測 / 光ピンセット / 微小球共振器 / マイクロ・ナノデバイス / 量子エレクトロニクス |
Research Abstract |
光の放射圧を利用したレーザーマニピュレーション技術は、様々な分野に応用されているが、放射圧現象から光(光子)そのものの物理性質・物理量を検知し解析するという光物理計測的観点からの応用研究は数少ない。本研究では、放射圧を利用して光子の状態を保ったまま光子を検出するという全く新しいアイデアに基づく光物理計測手法を開発する。本手法は、放射圧を高感度に測定することにより、運動方向以外は元の光子の状態に変化を与えずに光子を計測することを可能にする。すなわち、本手法を利用すれば1個の光子を何度でも検出することができ、光子の空間分布・時間特性などマルチパラメータの同時計測が実現可能となる。本年度は、ファブリ・ペロー共振器および微小球共振器における電磁界分布の数値解析と、ミクロな干渉計のミラーやカップリング用光ファイバの力学的応答についてシミュレーションを行い、共鳴状態において発生する放射圧とそれによるミラーの変位等を定量的に解析した。共振器のQ値、共振器サイズ、ミラーの重さ、高分子鎖の弾性応答特性などをパラメータとし、さらに熱雑音等の外乱を計算に組み込んで光子の検出限界を求めた。これらの結果に基づいて、フォトンフォースから光強度を計測する手法の精度・感度を検討するとともに、フォトンカウンティングに必要な実験条件を見積もった上で、非破壊光子検出システムを設計した。現在、ファブリ・ペロー共振器を用いた超高感度フォトンフォース計測システムを設計に基づいて試作している段階である。
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