2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川瀬 晃道 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (00296013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水津 光司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20342800)
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Keywords | テラヘルツ / トモグラフィー / イメージング |
Research Abstract |
21年度は、パルス圧縮を施した小型で堅牢なファイバレーザを励起光源として用い、超短パルスを生成することで、実用的かつ高分解能なテラヘルツトモグラフィシステムの開発を進めた。我々は、今年度終了する本基盤研究Aにおいて、超短テラヘルツパルスを用い、世界最高の奥行き分解能5μmを有する飛行時間型の反射テラヘルツトモグラフィーシステムの開発に成功した。その研究において、有機非線形光学結晶DASTのバルク結晶を用い、ファイバーレーザー励起で25THzまでカバーする超広帯域テラヘルツスペクトルを発生させ、それにより150フェムト秒の超短テラヘルツパルスを発生させることで奥行き分解能を高めたが、いくつかの今後の重要課題も判明した。 一つ目の課題は、DASTバルク結晶のテラヘルツ帯吸収係数がいくつかの周波数において極めて大きいため、得られるテラヘルツ波スペクトルの平坦性が極めて悪い点である。このため、フーリエ変換の関係から得られる超短パルスの時間波形がモノサイクルに程遠い乱れた波形となっている。我々は、この問題について元の時間波形でデコンボリューション処理することで一応克服したが、理想的なトモグラフィーにとってモノサイクルなテラヘルツ超短パルスは必須である。 二つ目の課題は、DASTバルク結晶の強い吸収の影響で、得られるテラヘルツ波出力が小さい点である。この問題はDASTに限らず、LiNbO3バルク結晶によるテラヘルツ波発生においてもかねて指摘されている。 これらの課題については、引き続き基盤研究Bにおいて研究を進め、近い将来、奥行き分解能サブミクロンのテラヘルツトモグラフィーを実現する予定である。
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Research Products
(5 results)