2008 Fiscal Year Annual Research Report
多層薄膜構造体の機能・寿命特性を支配する表面・界面力学パラメータの解明
Project/Area Number |
18206013
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 喜久雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (30111652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕嗣 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90193606)
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Keywords | 薄膜 / 高分子 / セラミックス / 界面 / ナノインデンテーション / 紫外線 / 不均質材料 / ピール試験 |
Research Abstract |
半導体デバイスやマクロセンサーなどのマイクロシステムは種々の材料から構成される多層薄膜構造体であることが特徴である.このような構造体においては,各層の機能の効果的な発現に加えて,構造体としての健全性を確保する必要がある.構造体の寸法の微細化とともに,界面の不均質な階層構造が無視できなくなる,あるいは,機能発現のために積極的に不均質構造化している場合が多く現れてきており,健全性評価の際に,原子レベル,分子構造レベルさらには高次構造レベルなどのミクロ階層構造を適切に考慮した力学的取り扱いが必要となっている.そこで,本研究では,多層薄膜構造体の機能・寿命特性を支配する表面・界面の力学場パラメータを明らかにすることを目的とする.本年度は,ナノインデンテーション試験,マルチステージピール試験を行い,界面の損傷やはく離の進行過程を詳細に観察・計測した.さらに,多軸駆動型はく離法を新たに開発し,粘着テープのはく離強度特性を精度良く評価できる手法を提示するとともに,界面強度の異方性を結合力モデルによって考慮した有限要素解析を行い,はく離角度とはく離進展時の混合モード比の関係について検討した.すなわち,はく離角度が60〜180°の範囲で垂直モードが支配的であり,せん断モードは,はく離角度が小さい場合にのみ表れ,基材の剛性の増加とともに高まることを明らかにしている.これより,基材の剛性を高くしたはく離試験と,はく離進展解析と組合せることで,はく離強度の異方性を測定する方法を提案した.
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