2008 Fiscal Year Annual Research Report
生物の構造・組織の力学的最適性の評価とその構造・材料設計法への応用研究
Project/Area Number |
18206014
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾田 十八 Kanazawa University, 自然科学研究科, 名誉教授 (30019749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 光悦 金沢大学, 機械工学系, 教授 (70110608)
坂本 二郎 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20205769)
北山 哲士 金沢大学, 機械工学系, 講師 (90339698)
酒井 忍 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80196039)
金井 亮 金沢大学, 金沢工業高等専門学校, 講師 (10436826)
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Keywords | バイオニックデザイン / バイオメカニクス / 最適設計 / 軽量構造 / キツツキ / 桐 / 削岩機 / 耐衝撃性 |
Research Abstract |
今年度は前2年度に行った生物(主としてキツツキ,桐材等)について得られた力学的特異性の内,特に興味深いものの発現メカニズムを明らかにする研究とそれを工学へ応用する研究を行った.具体的には次のものである. 1. 力学的特異性の発現メカニズムを調べる研究 (1) キツツキのドラミング挙動と力学的意味の分析 キツツキのドラミング挙動は,キツツキ本体とそれが止っている木に対して繰返し衝撃負荷を与えている.しかしそれら負荷が本体にはダメージを少なくし,反対に木には巣穴の加工機能等と関連してダメージを大きくしている.このような同一負荷挙動がなぜ相反する効果をそれぞれの対象物体に与えるのかを簡単なFEMモデルを用いて解析し明らかにした.結果として,それは繰返し負荷の時間サイクルと対象物体の大きさの両方が関係していることが分った. (2) 桐材の不燃性メカニズムの研究 桐材の他の木材に比較して不燃性が高い理由は,そのマトリックス材にリグニン成分が少なく,不燃性成分が若干多いことが基本である.しかしこれに加え,その細胞組織がまず壁層が薄いポーラスなもので,かつ導管部がそれらに比較して大きく,お互いに不連続な配置となっていることがSEM観察および燃焼実験より明らかとなった. 2. 力学的特異性を工学へ応用する研究 (1) 衝撃負荷によるコンクリートの効率的破壊方法の研究 キツツキのドラミング動作が効率的に木材を加工しているとの考えより,今年度はまずDEMを用いてコンクリートブロックへ削岩機をシュミレートした種々の負荷を与える研究を行った.これより削岩機側の出力エネルギーを一定として,コンクリートに発生するき裂長さを最大化する衝撃子速度,質量等の条件を明らかにした. (2) 複合材料特性の最適化のための構成成分配置法の研究 桐材の導管部の不連続性がその不燃性に影響を与えていることから,複合材料の第2相成分の含有率一定の下で,その形状や配置の仕方をセルラオートマトン法(CA)を利用し,そのルールに遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて最適化する方法を開発した.いわゆる進化的CA法での複合材料の特性最適化法の開発で,その有効性を簡単な数値モデル解析で明らかにした.
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Research Products
(6 results)