2008 Fiscal Year Annual Research Report
界面移動拡散現象の異方性抽出のためのマイクロ・ナノスケールイメージング法の確立
Project/Area Number |
18206024
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菱田 公一 Keio University, 理工学部, 教授 (40156592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋平 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00344127)
小川 邦康 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (50272703)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロチャネル / 電気二重相 / 異方性 / 拡散層 / 固定層 / エバネッセント波 / NMR |
Research Abstract |
マイクロチャネル内の固体・液体界面さらには気体・液体界面に形成されるイオン層,即ち,電気二重層の時空間構造がバルク流動構造に影響を及ぼすことが研究代表者らの一連の研究により明らかとなった.本研究では,界面を有する流れにおけるイオン層が拡散輸送現象に及ぼす影響の評価,およびイオンの異方性がマイクロスケール熱流動現象に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,蛍光画像計測および核磁気共鳴(NMR)を併用した画期的な多変量イメージング法の開発を行った.蛍光粒子の移動距離から液体速度を計測するマイクロPIV(粒子画像流速計)に,蛍光色素のイオン濃度依存性を利用して液体中のイオン濃度分布を計測するLIF(レーザ誘起蛍光法)を併用することで,液体速度およびイオン濃度分布の同時計測を実現した.本手法の特徴である多変量イメージングを生かし,固体・液体界面での非一様なイオン層を有する流れ場の流動特性を定量評価,さらには気体・液体界面における気体溶解過程を定量的に明らかにした. NMRを用いた計測では,小型コイルを用いることにより高分解能でNMRスペクトルを取得でき,壁面近傍および微細な多孔質体内の試料濃度を計測することができる.本手法は試料を採取することなく濃度計測が可能で,蛍光剤の添加も不要である.多孔質体として,高分子材料を基本材料とし,内部の微細孔を水が移動できる材料を用いた.小型コイルを流路に接した多孔質体表面に接触させ,メタノール水溶液が多孔質体内を浸透していく過程を計測した.本手法では, NMR信号を解析してメタノール濃度と分子の拡散係数を求めた.これにより,多孔質体内でのメタノール濃度と分子拡散挙動の関係を取得した.
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Research Products
(12 results)