Research Abstract |
研究の初年度にあたり,研究対象を,システム全体(問題設定,基盤技術の確認),燃焼器(燃焼反応計算,燃焼特性等,設計指針),運転制御(熱量変動・負荷変動評価,起動制御・負荷制御アルゴリズム),軸受(軸受設計基礎理論)の4つの項目に分けて,以下の研究計画に沿って研究を進めた. (1)システム全体:過渡特性改善に係わる,燃料のカロリー変動,負荷の周波数変動などに関する定量的な情報を収集し,問題設定をより明確にする.また,実験に用いる対象システムとインフラを構成している要素のスペックを再度確認する. 本項目については,インフラ整備を重点的に進め,これまでの実験装置の不具合の改善に努力し,次年度以降の実験がスムーズに行なえるように環境整備を行なった. (2)燃焼器:燃焼器に関しては,現在完成している多段希薄予混合方式の3号機についての燃焼数値解析を行う.さらに,その結果を反映させて,4号機の設計に取り掛かる. 本項目に関しては,燃焼数値解析のノウハウを蓄積し,実際に燃焼反応計算とCFD計算から設計指針を得るための前段階まで到達することが出来た. (3)運転制御:運転制御に関しては,既に完成している1号機および3号機を搭載した実機を用いて,多チャンネル計測を行い,測定された実験データの分析結果から,起動制御・負荷制御アルゴリズムを検討する. 本項目に関しては,設計パラメータに不確定なものが多く含まれているため,ロバスト制御方式の一つであるH∞理論を適用し,良好な制御性能を得ることに成功した. (4)軸受:軸受に関しては,マルチワンド型フォイル軸受で展開されてきた設計理論をより信頼性の高いものへと充実させる. 本項目に関しては,マルチワンド型フォイル軸受の負荷容量を評価できる理論を構築することに成功した. 以上のように,初年度の目標は,順調に達成された.
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