| Research Abstract |
小さな複数の発電設備と複数の需要設備をまとめてコントロールするようなシステムであるマイクログリッド内での使用を想定したガスエンジンやガスタービンには,起動運転特性の向上,出力変動を瞬時に吸収するといった過渡応答性能に優れていること,バイオマスガス使用時の燃料組成変動および熱量変動に対しても排気がクリーンで高効率での運転が維持できることが期待されている.そこで本研究では,起動運転特性および過渡応答性能に優れ,かつ,バイオマスガス使用時の燃料組成および熱量変動に対しても高効率な運転が維持可能な小型ガスタービンおよびその制御手法の開発を行うために必要な基盤技術の研究を行うこととした.
本研究は,燃焼器,運転制御方式,フォイル軸受とシステム化の4つのサブテーマに大別される.平成18年度は,研究の初年度で研究対象を,システム全体(問題設定,基盤技術の確認),燃焼器(燃焼反応計算,燃焼特性等,設計指針),運転制御(熱量変動・負荷変動評価,起動制御・負荷制御アルゴリズム提案),軸受(軸受設計基礎理論提案)に分けて実施し(注:括弧内は作業内容を示す),研究インフラを整えた.
平成19年度は,燃焼器の改良,運転制御ソフトの改良,軸受動特性設計のための設計計算ツールを構築した.
平成20年度は,分光解析用燃焼器を用いた可視化実験を実施し,性能改善のための知見を得た.また,フォイル軸受の試作を行い,負荷容量や安定性についての実験を行い,評価指標との比較検証した.
最終年度である平成21年度は,フォイル軸受設計計算ツールを完成させ,成果を学会発表した.また,ガスタービンの運転中に発生した燃焼振動を抑制するための対策を行い,問題点を解消した後,組成の違うバイオマスガスを運転したときの性能試験を実施し,結果を取り纏め,学会発表を行った.
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