2006 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界エリプソメトリーで切り開く形状敏感ナノデバイスプロセス創製
Project/Area Number |
18206031
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
近藤 英一 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (70304871)
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Keywords | 超臨界流体 / エリプソメトリ / ナノ構造 / 自己整合 / ボトムアップ |
Research Abstract |
本研究では,超臨界二酸化炭素中で地の幾何学的形状のみを利用して高アスペクトのナノ構造に選択的かつ自己整合的あるいはボトムアップ式に金属や化合物を析出・充填することを目的としている。そのの原理確認とモニタリングのため,実時間で偏光解析を行う「超臨界二酸化炭素中その場偏光解析装置」の開発を行った。超臨界二酸化炭素中その場偏光解析装置を開発し,新規導入解析ソフトを併用して,以下の成果を得た。 ・偏光解析用セルを用いて偏光解析を行う場合,同セル内の圧力及び温度変化による影響を受ける。特に温度変化に伴うΔの変化は大きい。これは圧力及び温度変化に伴い同セルの窓の屈折率が変化するためと考えられる。そのためその場偏光解析法を行うには,同セル内の温度及び圧力を一定にする必要がある。 超臨界二酸化炭素中でその場偏光解析法を行いCu(dibm)2の吸着・凝集過程について検討し,以下の成果を得た。 ・超臨界二酸化炭素に溶解したCu(dibm)2は供給されると同時に微細孔内へ吸着・凝集する。またCu(dibm)2の供給中で超臨界洗浄も起こる。 ・高温の場合,吸着・凝集と超臨界洗浄が平衡状態である。Cu(dibm)2の量が少なくなり,平衡状態が崩れると洗浄され脱離する。 ・低温の場合,供給量よりも洗浄量の方が多いため,凝集するが洗浄され脱離しやすい。 ・Cu(dibm)2の量が多い方が,微細孔内の凝集量は多い。 ・以上より,吸着・凝集は超臨界二酸化炭素中のCu(dibm)2の濃度に依存していると考えられる。 本研究で得られた成果は超臨界成膜法の形状敏感堆積メカニズムの基礎データとして有用であると考えられる。しかし形状敏感メカニズム解明にはその場偏光解析法を用いて更なる基礎検討が必要である。特に本研究では一定の温度(150℃)以上で検討を行っていないため検討の余地がある。また形状敏感堆積は下地依存性や原料依存性等も影響していると考えられ同様に検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)