2008 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界エリプソメトリーで切り開く形状敏感ナノデバイスプロセス創製
Project/Area Number |
18206031
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
近藤 英一 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70304871)
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Keywords | 超臨界流体 / エリプソメトリー / スーパーミクロ細孔 |
Research Abstract |
本研究では、超臨界流体中その場偏光解析法を用いた、サブナノレベル構造体内への材料の選択凝集の観測と機構について検討した。その結果、以下の成果を得た。 ・超臨界流体環境中におかれた薄膜サンプルの偏光解析を行うための光学的補正法ならびに測定技術を開発した。 ・細孔内の凝集は超臨界流体の状態や吸着子、細孔構造に依存しており、偏光パラメータの変化や浸透・凝集時間の変化から評価が可能である。細孔径が小さな薄膜ほど浸透・凝集が起こりにくい。 ・多孔質薄膜では多孔度が大きいほど浸透・凝集過程が飽和するまでの時間及び変化量が大きいことが分かった。 ・流体の密度が高い条件で浸透・凝集が起こりやすい。 ・極小細孔(<1nm)を持つ多孔質膜薄膜でも迅速に浸透・凝集が起こる条件を見出した。 測定環境と多孔質膜の細孔構造には密接な関係があることが分かり細孔の径や連結度の簡便な解析法としても利用できる可能性が示された。本研究の範囲内では極小細孔の微細な構造を決定するまでには至らなかった。しかし、陽電子対消滅分光法で得られたスーパーミクロ細孔構造のデータと比較したところ細孔径、閉孔度に対してよい整合性が見られたことは、本手法の大きな有用性を示す成果である。本研究で得られたデータをもとに、今後超臨界二酸化炭素中その場偏光解析を用いた細孔構造の測定法が確立することが期待される。
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Research Products
(14 results)