2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機強誘電体ダイポールによる半導体蓄積制御と不揮発メモリ応用
Project/Area Number |
18206033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松重 和美 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (80091362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 謙司 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20303860)
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40283626)
小林 圭 京都大学, 産官学連携センター, 助教 (40335211)
桑島 修一郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (80397588)
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Keywords | 強誘電体 / 有機分子 / 不揮発メモリ / 界面 / トランジスタ型メモリ / ナノデバイス / 空乏層 / 半導体 |
Research Abstract |
本研究では、次世代不揮発メモリとして極めて有望な、金属/強誘電体/半導体(MES)構造を持つ電界効果トランジスタ(FET)の開発を目指して、有機強誘電体によるSiチャネル上への強誘電体膜の直接堆積の実現、及び新たな概念に基づく不揮発性メモリ創成を目標としている。本年度は、シリコンチャネルによるMES-FETの前段階として、有機半導体(ペンタセン)と有機強誘電体(VDFオリゴマー)の積層膜を構築し、強誘電体/半導体界面における荷電キャリアの挙動について調査を行った。その結果、VDFオリゴマー膜の自発分極の方向を制御することで、ペンタセン/VDFオリゴマー界面でのキャリア(正孔)蓄積挙動を明確に観測することに成功した。その結果を基に、ペンタセン薄膜FETのゲート部にVDFオリゴマー薄膜を導入した、1個のFETによる(1T型)強誘電体メモリを新規に作製し、FETのON/OFFスイッチングが強誘電体ゲート膜の分極反転に起因することを明確にすると共に、良好な不揮発メモリ特性を確認するに至った。また不揮発メモリへの他の応用例として、プログラム可能な積層型強誘電体論理ゲートの提案を行い、その動作を実証した。一方で、分極反転疲労に伴うVDFオリゴマー薄膜の構造変化を、X線回折や赤外吸収分光法を用いて直接観測すると共に、分極反転疲労特性が金属電極/VDFオリゴマー膜の界面状態に大きく依存することも見出した。現在は、シリコンチャネルを用いたトランジスタ型不揮発メモリ、及びナノレベルでの革新的な有機強誘電不揮発メモリ素子創成へ向けた実験を進めている。
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Research Products
(8 results)