2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機強誘電体ダイポールによる半導体蓄積制御と不揮発メモリ応用
Project/Area Number |
18206033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松重 和美 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (80091362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 謙司 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20303860)
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40283626)
小林 圭 京都大学, 産官学連携センター, 助教 (40335211)
桑島 修一郎 京都大学, 工学研究科, 講師 (80397588)
野田 啓 京都大学, 工学研究科, 助教 (30372569)
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Keywords | 強誘電体 / 有機分子 / 不揮発メモリ / 界面 / トランジスタ型メモリ / ナノデバイス / 空乏層 / 半導体 |
Research Abstract |
本研究では、次世代不揮発メモリとして極めて有望な、金属/強誘電体/半導体(MES)構造を持つ電界効果トランジスタ(FET)の開発を目指した研究を展開している。本年度は、ナノレベルでの革新的な有機強誘電不揮発メモリ素子創成へ向けて、「プローブゲート方式」記録書き込みに関する指導原理を得るための実験を遂行した。カーボンナノチューブトランジスタ(CN-FET)におけるゲート絶縁膜に有機強誘電体薄膜を導入し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の金属コートカンチレバーを可動式上部電極と見なして、有機強誘電体膜の局所分極操作によるCN-FETのデバイス特性の制御を試みた。その結果、CNTの直上において局所的に分極ドメインを作製することが可能であることが判明した。また、CN-FETの電流・電圧特性が有機強誘電体の分極処理(ポーリング)によって大きく変化し、分極方向に応じて、電流・電圧特性がゲート電圧方向にシフトするという、メモリ効果を示すことも見出された。また、局所ポーリングにより書き込んだ領域において、圧電応答顕微鏡(PFM)やケルビンプローブ原子間力顕微鏡(KPFM)による圧電応答/表面電位信号の2次元可視化に成功し、パルス信号による分極処理情報を書き込むための条件を確立した。このようにCN-FETに有機強誘電体薄膜を有した新しいナノスケール不揮発メモリ素子を提案し、その動作を実証した。昨年度までの研究において、半導体膜/有機強誘電体界面を用いたマクロなFET型不揮発性メモリの開発に成功しているが、本年度の研究を以って、新たな概念に基づくナノレベル不揮発性メモリ創成を達成した。
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Research Products
(4 results)