2006 Fiscal Year Annual Research Report
高非線形光ファイバを用いた超高速光信号処理に関する研究
Project/Area Number |
18206038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 和朗 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50134458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 一弘 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (00292897)
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Keywords | 先端的通信 / フォトネックネットワーク / 光スイッチ / 情報通信工学 |
Research Abstract |
本研究では,高非線形光ファイバを駆使した超高速光信号処理回路を開発し,160Gbit/s光時分割多重(OTDM)システム上で性能評価することにより,その実用性を検証することを目的とする。 今年度は,160Gbit/sに時間多重可能な10GHzピコ秒パルス列を安定に発生させる方式として,種々のパルス圧縮法を比較検討した。その中で,光導波路型Fabry-Perot電気光学(Fabry-Perot electro-optic:FP-EO)変調器]によって発生した光コムを光フィルタで切り取る方式が最適であることがわかった。この方式では,CW光をFP-EO変調器によって周波数fmで位相変調する。この位相変調によって、長波長シフト及び短波長シフトした繰返しfmのパルス列が交互に並ぶ繰返し周波数2×fmの光パルス列が得られる。このパルス波形はローレンツ型であり、隣接パルスの周波数が異なる為に、光時間多重への応用に適しているとは言えない。しかし、光フィルタによって光コムの長波長または短波長シフトした成分のみを抽出すれば、高消光比の繰返し周波数fmのパルス列が得られることが明らかになった。光回路の設計に基づき,デバイスの試作を行い,160Gbit/sへの時間多重が可能なことを実証した。 さらに,光時分割多重伝送用受信器においては,クロック抽出回路が主要な機能となる。今年度は,ニオブ酸リチュウム光位相変調器を用いて160Gbit/s信号光に40GHzクロックによる位相変調を加え,周波数シフトした成分を光フィルタで切り抜くことにより,クロック誤差信号を検出する方法を提案した。きわめて安定な分周クロックを得ることに成功し,実用レベルのクロック抽出装置の試作を完了した。
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