2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206042
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松尾 宏 National Astronomical Observatory of Japan, 先端技術センター, 准教授 (90192749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 康詞 国立天文台, 先端技術センター, 研究員 (00377970)
永田 洋久 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 研究員 (20399299)
藤原 幹生 情報通信研究機構, 基礎先端部門, 主任研究員 (70359066)
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Keywords | テラヘルツ / 極低温回路 / 集積回路 / ガリウム砒素半導体 / 超伝導検出器 |
Research Abstract |
本研究課題の最終年度は、超伝導テラヘルツカメラに搭載可能な極低温集積型電子回路を実現することを目標とした。まず、前年度に試作したガリウム砒素半導体を用いた極低温集積回路の特性試験を行った。積分読み出し回路(CTIA)回路については、2段増幅回路、AC結合型CTIA回路および4チャンネル集積回路による評価を行った。回路の増幅率が約700倍と測定され、目標値の2000倍に比べ約1/3の値しか得られなかったが、動作速度(500kHz以上)、雑音(4μV/√Hz以下)、消費電力(2μW/ch以下)および回路特性のばらつきについては目標値に近い性能が得られた。入力電圧雑音については、ゲートサイズの最適化および赤外光照射による雑音低減を確認している。サンプルホールド付マルチプレクサ回路では4チャンネルの信号入力を忠実に多重化できることを確認した。チャンネル選択用シフトレジスタについては5kHz程度での動作試験を行い100kHz程度までは高速化可能であることを確認している。次に、テラヘルツカメラの32チャンネル極低温モジュールに用いる集積回路の開発を行った。アナログ回路の増幅率の向上、動作速度の向上、集積度の向上を図り、16ch-AC結合型CTIA回路、32ch-マルチプレクサおよび32ch-シフトレジスタを集積回路として設計製作した。32chモジュールに搭載する集積回路チップおよびモジュールの設計が完了したことにより、1000画素程度までのテラヘルツカメラの実現が可能であることを示した。本研究で開発した極低温集積回路は超伝導テラヘルツカメラの極低温読み出しおよび極低温集積回路技術として様々な分野での応用が期待される。
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Research Products
(12 results)