2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波帯二次元通信による柔軟体センサネットワークの研究
Project/Area Number |
18206046
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠田 裕之 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (40226147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 繁 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (70134468)
|
Keywords | 2次元通信 / ユキビタス / センサネットワーク / 人工皮膚 / ウエアラブル / 分散コンピューティング / 拡散信号伝送 / インタフェース |
Research Abstract |
二次元通信とは,物体表面や薄いシート内を2次元伝播する電磁波で通信する技術である。種々の柔軟材料,低コスト素材で作製可能な二次元通信層を,壁,床,机などの表面や,衣賑などの布状シートとして作りこんでおく。その表面に専用のインタフェースを近接させると,電磁波は通信シートの内部および近傍を伝播し,通信シートに近接している他の通信素子と通信をする,というものである。空中に放射される電磁波はわずかであるため,マイクロ波による電力供給も可能である。本研究では特にマイクロ波帯での二次元コネクション技術を確立するとともに,これらを用いたアプリケーションを展開する。平成19年度の成果は以下の通りである。 (1)電力伝送手法の開発と漏洩電波の分析 複数の地点から送出されたマイクロ波の位相を制御することで,特定の機器に放射電力を集中させる電力供給方法の実証実験を行った(本実験の一部は別予算によって行われた)。その結果30%のマイクロ波伝送効率で10W程度の電力を伝送することに成功した。しかし現時点では皮膚を通信シートに直接接触させた場合に生体に吸収される電力が電波防護指針の安全基準を上回るため改善が必要である。 (2)シート上での位置検出方法の開発 通信シート上での端末位置を,通信シート表面から漏洩する電磁場パターンを計測することで特定する手法を提案した。本年度は電場計測に関する基礎実験を行い,良好な結果を得た。 (3)布媒体による筋電計測サポータの開発 素子と通信層の間に電気的接点が不要である特長を活かし,多数の筋電計測素子を柔軟な通信層に結合する。その柔軟シートを腕に巻きつけることで高解像度の筋電位分布を計測する。腕表面での2次元筋電パターンから筋肉を特定し,各指の力を計測できる。本年度は,伸縮可能な通信層に近接結合し,電力を受け取りながら信号を送信する小型計測ユニットを試作した。現時点までに2つの計測ユニットからの同時信号読み出しについて確認している。
|
Research Products
(35 results)