2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國島 正彦 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00201468)
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Keywords | 公共工事の代金支払い方法 / 契約システム / 毎月出来高部分払い方式 / 受入検査 / 総価単価契約 / 総合評価方式の入札システム / 加算方式の総合評価 / 概算発注 |
Research Abstract |
我が国の公共工事の契約システムの根幹である代金支払い方法を、国際標準の毎月出来高部分払いと変更するため、解決すべき課題と具体的方法を、欧州諸国との国際比較研究によって明らかにした。 2009年2月に、スイス連邦共和国およびドイツ連邦共和国の、公共発注者、民間建設会社、スイス連邦国家大学等への訪問聞き取り調査、およびスイス公共工事の実際の入札書類一式等の有益な資料収集した。その結果と過去2年間で得られた知見と研究成果から、以下のことがいえると考えられる。 (1)公共工事で毎月出来高部分払いを実践するためには、検査、検収、査定(設計変更)、精算・支払いという受入検査システム(監督ではない)を、公共発注者が日常的に保有する必要がある。万国共通の公務員定員削減の趨勢にあって、公共技術者と協働する民間技術者の雇用が必要不可欠となるが、我が国の建設界に現存する両者の相互不信頼関係が障害となっていることが分かった。 (2)公共工事で毎月出来高部分払いを実践するためには、工事開始前に、工事項目、数量、単価、工程等の工事内容が、建設現場の施工条件を考慮して十分に把握されている必要がある。我が国の公共工事で、予算執行を重視して慣例化してきた概算発注は中止すべきである。加算方式の総合評価方式、および単価総価契約(総価契約・単価合意方式は中央政府で試行開始)を組み合わせる入札システムを導入することによって、毎月出来高部分払いが円滑に実現できると考えられる。 ドイツ語の収集資料の翻訳と分析に時間を要したために、平成20年度内に研究実績を報告できなかったことを心より御詫び申し上げる次第である。
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Research Products
(33 results)