2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206071
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石澤 伸夫 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (90151365)
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Keywords | 電子密度分布解析 / 機能性無機物質 / 単結晶構造解析 / 分子動力学計算 / CCD単結晶回折計 |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射光を利用した精密電子密度分布解析法をさらに発展させ、分子動力学シミュレーションを相補的に組み合わせることにより、機能性をもつ種々の無機結晶の構造ダイナミクスと物性との相関を明らかにすることである。この目的を達成するために、試料加熱装置付CCD高精度回折計および放射光単結晶X線回折計(高エネルギー加速器研究機構の物質構造科学研究所ビームライン14A)をもちいて種々の機能性無機結晶の電子密度分布解析を行った。また、いくつかの結晶については分子動力学計算シミュレーションを行い、X線で得られた実験結果と比較した。その結果、リチウムマンガンスピネル結晶については構造の乱れやLiイオンの拡散路について重要な知見を得、またコランダム結晶(Al_2O_3)についてはその熱膨張機構等に関する知見を得た。さらに、希土類ルテニウム複合酸化物単結晶の合成、構造決定、電子密度分布解析を行い、Gd_3RuO_7、Tb_3RuO_7、Dy_3RuO_7等の擬二次元導電体機能性物質の構造物性を調べ,その高温相転移に伴う電子密度分布の変化を明らかにした。そのほか多くの機能性無機化合物を新たに見出し,その相転移や構造物性の解明にあたった。これらの研究成果は、国際結晶学連合会議をはじめとする国際会議及び各種国内会議において口頭およびポスター発表した。またプレナリー招聘講演(マレーシア国際化学会議)などを通して研究成果を社会に公表た。リチウムマンガンスピネルに関しては日本セラミックス協会学術論文誌に招待総合論文を執筆した。研究成果はまだ続々と出ており,これらに関しては論文の投稿を順次計画中である。また,3年間にわたる本研究課題を本最終年度に総括した。その研究成果は当初の目標を十分に達成したと考える。
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Research Products
(18 results)