2006 Fiscal Year Annual Research Report
B-H系錯体水素化物の機能設計マップ -基礎物性からエネルギー関連機能への展開-
Project/Area Number |
18206073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
折茂 慎一 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40284129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60241569)
中森 裕子 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90359539)
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40213524)
湯川 宏 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50293676)
飛田 健次 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合炉システム研究グループ, グループリーダー (50354569)
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Keywords | 水素 / 錯体水素化物 / 電気陰性度 / マイクロ波 / 中性子遮蔽 / ミリング / エネルギー / 複合材料 |
Research Abstract |
アルカリ金属やアルカリ土類金属さらには遷移金属や希土類金属なども含めた多様な金属Mを用いてM-B-H系錯体水素化物を合成し、Mの電気陰性度xと当該水素化物の生成エンタルピーΔHとの相関を実験的に解明するとともに、エネルギー関連機能としてのマイクロ波誘起特性と中性子遮蔽特性に関する基礎評価を進めた。合成においては、リチウムを含むB-H系錯体水素化物と金属Mを含む塩化物との多様な混合粉末に対して機械的混合(ミリング)処理を施すことで、目的とする純良なM-B-H系錯体水素化物を得ることに成功した。得られた水素化物の特性は、粉末X線回折、ラマン分光、熱重量・示差熱分析、質量数分析、などで系統的に評価した。その結果、広範な金属Mにわたり、その電気陰性度xが大きくなるに従って当該水素化物の分解温度が低温化する傾向(すなわちx-ΔH相関)があることが判明した。この広範なM-B-H系錯体水素化物でのx-ΔH相関は、今後のエネルギー関連機能の探求に際して重要な指針となる。マイクロ波誘起反応に関しては、まず基本となるリチウムを含むB-H系錯体水素化物を対象とした。この場合、110℃付近での結晶構造変化にともなって、マイクロ波吸収に起因する急激な自己発熱とその後の脱水素化反応の進行が確認できた。さらに、より有効なマイクロ波誘起特性を促すために、マイクロ波吸収能が高い他の軽量金属や軽量化合物との複合材料を作成して同様なマイクロ波誘起反応の評価を進めた結果、これらの複合相の選定基準を見出すことも可能となった。中性子遮蔽特性に関しては、マグネシウムを含むB-H系錯体水素化物に注目して、まず計算機シミュレーションよって100eV以下の中性子フラックスに対する高い減衰効果を確認した。
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Research Products
(11 results)