2007 Fiscal Year Annual Research Report
B-H系錯体水素化物の機能設計マップ-基礎物性からエネルギー関連機能への展開一
Project/Area Number |
18206073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
折茂 慎一 Tohoku University, 金属材料研究所, 准教授 (40284129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60241569)
中森 裕子 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90359539)
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40213524)
湯川 宏 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50293676)
飛田 健次 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合炉システム研究グループ, グループリーダー (50354569)
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Keywords | 水素 / 錯体水素化物 / 電気陰性度 / マイクロ波 / 中性子遮蔽 / 超イオン伝導 / エネルギー / 複合材料 |
Research Abstract |
多様な金属Mを用いてM-B-H系錯体水素化物を合成して、その物性や構造特性を解明するとともに、エネルギー関連機能にかかわる評価を進めた。金属Mとして3価の希土類金属(イットリウム,ガドリニウム,ディスプロシウムなど)を含むM-B-H系錯体水素化物の合成に成功するとともに、X線ならびに中性子回折測定によってそれらの構造特性を詳細に解明した。また、より大きな電気陰性度をもつ元素で金属Mの一部を部分置換することで、「平均の」電気陰性度χを増大させ、M-B-H系錯体水素化物の安定性を連続的に低下させることも可能になった。いっぽう、顕著なマイクロ波誘起特性を示すLi-B-H系錯体水素化物の物性を交流インピーダンス法で評価した結果、室温付近では温度上昇とともに電気伝導率が連続的に大きくなるが、115℃前後での構造変化にともなって電気伝導率が3桁も増大することを見出した。さらに、リチウムイオンの局所ダイナミクスを核磁気共鳴法で評価した結果、上述の交流インピーダンス法での評価結果と非常に良い一致を示した。これらの結果から、Li-B-H系錯体水素化物では、リチウムイオン電池の高性能化たもつながる可能性がある「リチウム超イオン伝導特性」が発現することが明らかとなった。これは錯体水素化物では世界初の発見といえる。また、マイクロ波誘起特性た関しては、これまで確認された分解(脱水素化)過程だけでなく再結合(再水素化)に関しても顕著な有効性が確認できた。中性子遮蔽特性に関しては、Mg-B-H系およびZr-B-H系錯体水素化物に注目してシミュレーションを進めた。
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Research Products
(19 results)