2008 Fiscal Year Annual Research Report
コロイドナノ粒子系孝造形成の学理の構築とITOパターン化配線への応用
Project/Area Number |
18206080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 由岐夫 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (20332570)
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Keywords | コロイド / ナノ粒子 / 透明電極 / パターン化 / 自己組織化 |
Research Abstract |
当研究室においてCDV合成したSWCNTを用い、塗布法にて透明電極を作製した。昨年度の成果として、溶液に分散し、吸引法で作製した様々なSWCNT薄膜を評価した結果、最高値として80%の透過率で500Ω/□を得た。目標値の80%100Ω/□には及ばないが、評価できる成果を得た。実施項目別に成果を述べる。 (1)SWCNTの分散: 水系溶媒にアルコールやアミン系を添加して超音波分散により、SWCNTを約1wt%の濃度まで分散した。 (2)SWCNT分散液の塗布による薄膜作製:できるだけ薄膜化することが、透過率との関係で必要である。その結果、20nmの薄膜で、90%の透過率を得られた。塗布法はバーコータである。 低抵抗化のためには、SWCNTのようなファイバー状粒子を配向制御することが望まれる。つまり、接触抵抗を低下させるために配向させ、接触点を増加することにより実現することが望まれる。そのために、下記のようなシミュレーションを行い、乾燥条件の検討を行った。基本的には、SWCNTをアミン系の表面修飾を行い静電反発系にし、溶液状態では分散配向させておき、乾燥後に配向薄膜を得る。シミュレータとしては、当研究室で開発中のSNAP(Structure of Nano-Particles)を用いた。これは流動場や乾燥場においてナノ粒子群の構造形成を予測するものであり、アスペクト比の大きなSWCNTのような粒子に適用できるように改良した。 (3)SWCNTの溶液中の分散配向と乾燥後の配向予測:SNAPを改良して、溶液中および乾燥後の配向について検討した。その結果、-50mV位の静電反発が好ましいということが明らかになった。 さらにシート抵抗を下げるには、SWCNTの長さ、つまりアスペクト比が大きいことが必須であり、分散における断裂を防ぐことが必要であることを明らかにした。以上の結果はSWCNTに限ることではなく、ITOについても同様のことが示唆される。
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