2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206081
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 亨和 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 教授 (70272713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 敬 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (30101108)
野村 淳子 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (60234936)
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Keywords | 固体酸触媒 / セルロース / ナノグラフェン / アーティフィシャルニューラルネットワーク / 応答曲面法 |
Research Abstract |
本研究は高密度のスルホ基を結合したナノサイズのグラフェンで構成されるアモルファスカーボンであるカーボン系固体酸の形態、官能基を制御することによって高性能・多機能な新規触媒の創生を目的としている。今年度ではカーボン系固体酸をメソポーラス材料内部に構築することにより、カーボン系固体酸-メソポーラス複合材料の創生に成功した。この材料は有用なαメチルスチレンダイマーのみを選択的に合成することが初めて見出された。既存の固体酸、および通常のカーボン系固体酸では当該反応は選択的に進行しない。また、すでに本研究により報告者らは当該材料がセルロースバイオマスを糖化できる唯一の固体酸であることを見出しているが、その反応メカニズム、反応支配因子は明らかになっていなかった。本研究は様々な実験により、当該反応のメカニズムと反応支配因子を解明することに成功した。当該反応では触媒のセルロースの吸着および強酸点の双方が必要不可欠であり、既存固体酸触媒はこの2つを兼ね揃えていないため、セルロースを分解できないことが見出された。また、本研究ではアーティフィシャルニューラルネットワーク(ANN)と応答曲面法(RSM)を組み合わせた新手法でカーボン系固体酸触媒によるセルロース糖化反応の最適条件の決定および反応支配因子を解明に成功した。これにより稲わら等の草本系、および杉等の木質系バイオマスの糖化を最適化し、当該触媒が硫酸と同等以上の性能で反応を進めることを実証した。
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