2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報に基づくマグネタイト結晶形成コアタンパク質群のプロテオーム解析
Project/Area Number |
18206084
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (10134834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新垣 篤史 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助手 (10367154)
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Keywords | プロテオーム / 微生物 / ゲノム / バイオテクノロジー / タンパク質 / 結晶形成 / 機能解析 / 比較解析 |
Research Abstract |
Desulfovibrio RS-1の全ゲノム情報に基づいて、RS-1株の生成するバイオマグネタイトのプロテオーム解析を行った。その結果、RS-1株のバイオマグネタイトから30個のタンパク質を同定した。RS-1株のバイオマグネタイトから同定されたタンパク質のプロファイルは、これまでα-Proteobacteriaの磁性細菌のバイオマグネタイト上から同定されたものと全く異なっており、磁性細菌のバイオマグネタイト生成メカニズム解明に向けた研究に新しい知見をもたらす事が期待されている。Magnetospirillum属の磁性細菌においてはgenomic islandと呼ばれる、バイオマグネタイトのタンパク質をコードする遺伝子群が局在するゲノム領域が存在している事が示されているが、RS-1株のバイオマグネタイトから同定されたタンパク質の遺伝子をマッピングしたところ、一部のタンパク質の遺伝子が同様にislandを形成している事が明らかになった。またこのislandの中には、他の磁性細菌においてバイオマグネタイトの生成との関連が示されている遺伝子に相同性を持ったものが複数存在していた。この結果より、磁性細菌におけるバイオマグネタイト生成能の起源が共通のgenomic island由来である事が考えられた。RS-1株のバイオマグネタイトから同定された新規タンパク質の中にいくつか注目すべき特徴を持ったタンパク質が存在していた。そのうちの1つは、AMB-1株のバイオマグネタイトから同定された結晶化制御タンパク質に一次配列の構造が類似していた。このタンパク質はAMB-1株の結晶化制御タンパク質と配列レベルの相同性はなかったが、アミノ酸の並び方の特徴が類似していた事から同様の機能を持っていることが予測された。また、RS-1株のバイオマグネタイトから同定された2つのタンパク質は、プロリン、グリシンを多く持ったコラーゲン様の構造を持っていた。このような特徴は、これまで他の磁性細菌のバイオマグネタイトから同定されたタンパク質には見られず、これらコラーゲン様のタンパク質がRS-1株特有のバイオマグネタイトの形態制御に関わっている可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)