2007 Fiscal Year Annual Research Report
惑星大気圏飛行のための実気流風洞試験技術の研究開発
Project/Area Number |
18206086
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 圭介 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (40358669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 恵介 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80226068)
永井 大樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70360724)
澤田 秀夫 (独)宇宙航空研究開発機構, 研究員 (30344245)
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Keywords | 航空宇宙流体 / 風洞試験 / 流体計測 / 流体制御 / 火星飛行機 / 感圧塗料 |
Research Abstract |
平成19年度は,(1)火星大気を模擬した希薄風洞の開発,(2)希薄・低温環境で使用できる光学的分子イメージング技術の開発,(3)火星大気飛行におけるプラズマアクチュエータの有効性の研究という3つの目標をかかげて研究を行った.(1)については,昨年度実施した詳細設計に基づき.真空チャンバ・吸込式風洞本体,バッファタンク,連結配管等からなる「火星大気風洞」(Mars Wind Tunnel)を製作し完成させた.本風洞は超音速エジェクターによる駆動方式を採用しており,初期検定試験の結果,設計通り圧力1000Paでマッハ数0.7を超える高亜音速の流れが誘導できることを確認した.(2)の分子イメージング技術の開発については,ポリトリルメチルシリルプロピンと呼ばれる多孔性高分子をバインダとした感圧塗料サンプルを作成し,火星大気と同じ低温・低酸素([02]=1000ppm程度)環境において系統的な較正試験を行った.その結果,この塗料の圧力感度が-40℃から+20℃の範囲ではあまり温度に依存せず,火星風洞での実験に適していることを確認した.(3)の「プラズマアクチュエータ」については,内部圧力と作動気体が変えられる真空チャンバを用いて,減圧下の特性をガス種を系統的に変えて調べた.誘導速度の測定には「Optical Flow」の概念を利用し,スモークワイアの時系列画像から画像解析によって速度ベクトルを測定した.実験の結果,1000Paという希薄な二酸化炭素環境下においても流れが誘起されることが確認され,プラズマアクチュエータが火星大気環境で翼面流れを制御する有効な手段になりうることがわかった.
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