2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ塩化ビニル廃棄物の常温脱塩素産物からの燃料ガスの発生法の開発
Project/Area Number |
18206093
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 文良 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10007198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 純也 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (40271978)
張 其武 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30292270)
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Keywords | メカノケミカル / 廃棄物 / バイオマス / 水素エネルギー |
Research Abstract |
本研究は、世界初の試みとして、塩ビ(PVC)廃棄物に無機物を添加し,それを粉砕(メカノケミカル(MC))処理して常温でPVCの脱塩素を達成し,その産物を250〜300℃程度の加熱で熱処理することによって水素やメタンなどの燃料ガスを発生させる新しいエネルギー回収法を開発する内容である。その学術的目的は,この一連のプロセスにおける諸現象把握であり,例えば,ガスの発生機構解明,ガス発生効率向上のためのMC操作因子を明確にすることなどにある。 初年度(平成18年度)は、まず、PVC試薬に対してCaOなどの無機物を添加してPVCから脱塩素し、処理産物の構造解析、熱分析、比表面積測定、赤外線分析などにより有価ガス発生の機構を明確にした。その発展系として,PVCの代わりに天然に大量に産出するセルロースを対象物とし,PVCに対して行ったMC処理と熱処理(250〜300℃程度)と同一の処理を行った場合の有価ガス発生について検討した。その結果,セルロース-添加物系に対する一連の処理によっても水素ガスが発生することを確認し,その発生機構と挙動を解析し、水素量とMC処理との関連性を明らかにすることができた。 平成18年度の研究では、PVCのみならずセルロースに対してもMC処理と加熱処理によって,水素やメタンガスなどを効率よく発生させる条件を明確にすることが出来た。これらのプロセスでは,粉砕操作(MC処理)と250〜300℃程度の温度での加熱という簡単な操作を組み合わせたものであり,初年度計画した目標を達成することが出来た。今後は、本年度の検討事項をさらに深化した内容にするとともに,処理対象物を広げ、効果的添加物の探索とガス発生に対する操作条件の最適化を計りつつ,学術的検討を深めたいと考えている。
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