2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白質複合体コネクソンの結晶構造解析によるギャップ結合の動作機構の解明
Project/Area Number |
18207006
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00294132)
田中 秀明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40346169)
|
Keywords | X線結晶構造解析 / 膜蛋白質 / ギャップ結合 |
Research Abstract |
生物の構造を上位の階層から辿っていくと、個体、器官、組織、細胞、細胞内小器官、超分子、蛋白質・核酸、小分子の階層構造がある。上位の階層の働きは直ぐ下の階層のものの相互作用によって規定される。細胞が集まって出来ている組織の働きは細胞間の相互作用によって制御される。細胞間相互作用に関わる部分で、比較的小さな分子を細胞間で通過させる所をギャップ結合という。このギャップ結合を形成しているのは、コネキシンと呼ばれる膜蛋白質が6量体を形成しているコネクソンである。コネキシンの1アミノ酸置換遺伝子の中に難聴がある。このことは、このギャップ結合が小分子を通過させる単なるパイプではなく、特異な動作機構によって小分子が通過させていることを強く示唆している。本研究はコネクソンの構造をX線結晶構造解析によって決定して、細胞間の小分子輸送の仕組みを明らかにして、細胞間相互作用の理解を深めることを目的にしている。 現在、開口状態のコネクソンの結晶化を進めている。精製標品の評価は動的光散乱と電子顕微鏡観察で行っており、動的光散乱による分散の単一性と電子顕微鏡による粒形の均一性は結晶化用標品としての適正の判断に有効である。これまでに得られている結晶の最高の分解能は4Åである。SPring-8の生体超分子構造解析ビームラインBL44XUで回折強度データを収集した。電子顕微鏡による構造研究によって、膜貫通領域の4本のヘリックス構造が報告されている。この構造に基づいて分子置換法によって初期位相を決定し、非結晶学的対称性を利用した位相決定を行った。
|