2007 Fiscal Year Annual Research Report
non-coding RNAとRNAiに依存するサイレントクロマチン構築機構
Project/Area Number |
18207012
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 洋太 Kyoto University, ウイルス研究所, 准教授 (20260622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克典 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (60273926)
|
Keywords | ヘテロクロマチン / RNAi / non-coding RNA / siRNA / 分裂酵母 / サイレンシング |
Research Abstract |
RNAi依存的ヘテロクロマチン形成の全貌を明らかにするには、既に得ている変異株の解析に加え、新規因子のスクリーニングを行うことが重要と考えあらたな遺伝学的スクリーニングを開始した。1)逆遺伝学的手法と2)遺伝学的手法の二つの方法を試みた。 1)逆遺伝学的手法 分裂酵母の蛋白質データベースの情報をもとに、RNAi依存的ヘテロクロマチン形成関連因子に共通する性質を抽出しそれと類似の性質をもつ新規因子について系統的に遺伝子破壊をおこなった。その結果、ヘテロクロマチン形成への関与を示す新規因子をいくつか単離できた。そのうちの一つTgs1はsnRNA, snoRNAなど核内で機能するncRNAの5'cap構造を特異的にメチル化することで、そのncRNAの核局在に関与すると考えられている。Tgs1によるヘテロクロマチン由来ncRNAの修飾がその後のRNAi経路によるsiRNA合成の過程で重要な働きをするという、新規のRNA運命決定経路の存在が予想される。さらに、RNAプロセシング関連因子も同定できており、この手法の有用性が証明された。 2)遺伝学的手法 また、ランダムに分裂酵母ゲノムに変異を導入しヘテロクロマチン形成に影響を与える新規変異株の単離も試み、いくつかの新規候補遺伝子を得ることができている。その過程で、核膜蛋白質で、ヘテロクロマチン形成に関与する因子を同定している。この変異株の表現形から染色体核内配置とセントロメア、ヘテロクロマチン機能が関連が予想された。
|