2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18207017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊谷 仁 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (80161412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊福 利彦 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (60322179)
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Keywords | セマフォリン / プレキシン / 心臓発生 / 神経提細胞 / 血管新生 |
Research Abstract |
セマフォリンとその受容体の多機能性はリガンドーレセプター結合の重複性、それらの時空間的な発現制御だけでなく、細胞内シグナルの多様性をも反映している。従って、セマフォリン分子による個体発生制御の全体像を明らかにするには、ファミリー全体を対象として、複数臓器にまたがった機能の分子レベルから臓器レベルまでの解析を通してより包括的に研究する必要がある。本研究では、(1)心臓の形態形成におけるセマフォリン分子群とその受容体の役割を個体、臓器レベルで解析するとともに、細胞内シグナルと細胞の遊走や運動の制御機構を解析し、(2)これまで個体発生における機能が不明であったクラス4型セマフォリン分子群の機能を、単独及び多重欠損マウスを用いて解析した。 (1)心臓-大血管の形態形成におけるセマフォリン・シグナルの解析 発生早期に別々の発生過程を経て形成された心臓と血管系は大血管を介して一連の循環システムを形作る。この大血管系は神経管背側より遊走する神経提細胞により形成される。我々はセマフォリン・シグナルが心臓の初期発生において心筋細胞の移動を制御することにより、その形態を決定することを見出し報告した。今回、神経提細胞の移動を新たなセマフォリン・シグナル系が制御することを見出した。膜結合型セマフォリンは体背側に発現し、神経提細胞に反発作用を及ぼす。一方、分泌型セマフォリンは大血管形成部位に発現し、神経提細胞を誘導する。このように、神経提細胞の遊走が部位特異的に発現するセマフォリン群により精妙に制御されていることを見出した。 (2)血管形成におけるセマフォリン・シグナルの解析 Sema4A欠損マウスにおいては障害角膜の新生血管の過形成が見出された。この作用が、従来報告されていた受容体とは異なるプレキシン分子によることを見出した。さらにVEGFを介する血管新生がこのシグナル系を介する低分子量G蛋白質により抑制されることも見出した。
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Research Products
(6 results)