2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウス初期発生に於ける位置情報とパターン形成の解析
Project/Area Number |
18207018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
目野 主税 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20311764)
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Keywords | 左右軸 / 胚発生 / マウスs |
Research Abstract |
TGFβスーパーファミリーに属するNodalは前後軸形成、原条形成、頭部形成及び左右軸形成などの胚発生の基軸となる局面で形態形成を司る分泌因子である。左右軸形成では、Nodalはノード近傍の左側側板中胚葉で発現が開始した後、左側側板中胚葉全体に発現域を広げることで左右軸が確立されることになる。Nodalは白らの発現を誘導するポジティブループと、その阻害因子であるLeftyを誘導するネガティブループを構成している。 Nodalが左側だけで発現を開始する分子機構はこれまで不明であったが、私たちはNoda!-Leftyからなる反応拡散がこのプロセスに関与する可能性を検討してきた。 野生型胚、各種変異胚並びにNodalやLeftyを異所発現させた全胚培養胚で観察されたNodal, Lefty発現の挙動に関するデータに基づき、Nodal反応拡散を表すシミュレーションを作製した。次いで、得られたシミュレーションを用いて、Nodal-Leftyによる左右軸形成の成立条件について検討を行った。例えば、 Nodalポジティブループを弱くすると、左右側板中胚葉でNodal発現が出現することが予想された。この予想に基づき、Nodalポジティブループを形成する転写因子FoxH1を側板中胚葉でモザイクに消失させる変異マウス作製すると、左右側板中胚葉でNodal発現が出現することが実証された。以上、Noda1-Leftyによる反応拡散は、ノードに生じる遺伝子発現の微弱な左右非対称性を、側板中胚葉で全か無かのNodal発現に増幅させることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)