2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの運動能と環境適応能の全身的な協関-非定常状態に注目して-
Project/Area Number |
18207019
|
Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
古賀 俊策 Kobe Design University, デザイン学部, 教授 (50125712)
|
Keywords | ヒトの運動能力 / 環境適応能 / 全身的な協関 |
Research Abstract |
1.酸素摂取機能の全身的協関:活動筋の酸素消費量(VO_2)と微小循環の動静脈酸素量差(脱酸素化Hb+Mb)の動態計測から、毛細血管レベルの血流量(Q)を推定した。運動開始直後のQの応答はVO_2よりも有意に速くなった。遠位側の外側広筋・脱酸素化Hb+Mbの増加は他の部位よりも大きくなった。活動肢全体に酸素を供給する血管、および末梢血管のレベルでは、運動開始時のVO_2応答は酸素供給の制限を受けないことが示唆された。2.循環機能の全身的協関:運動後の適切な血流配分という全身的協関について、運動後の血圧と各器官・臓器への血流を同時測定した。運動肢の下肢および非運動肢でも骨格筋の血管は拡張し続け、血圧低下を防ぐ機構の存在は観察されなかった。この一時的なミスマッチにより運動後に1時間程度、血圧は低下したままであり、全身的協関のしくみを紐解く糸口が示唆された。姿勢変化時の自発性血圧変動に対する血管抵抗の変動は,上肢・下肢の動脈血管において,血管の自己調節と同じパターンの変動をしていることが示された.立位姿勢により下肢血管に静水圧が加わった場合には,下肢血管の自己調節の反応時間が短縮することが示唆された.また,頭下げ姿勢時により下肢血管に対する静水圧が減少した場合には,下肢血管の自己調節の働きが弱まることが示唆された.3.体温調節機能の全身的協関:非定常運動時における体温調節反応を検討した。若年成人・高齢者男性各10名に対し、常温環境下で間欠的な運動負荷をおこない、食道温、皮膚温、前額・胸・前腕・大腿の発汗量と皮膚血流量、循環パラメータとして、心拍数、血圧、一回拍出量を測定した。「ヒトの運動能と環境適応能の全身的な協関」研究結果の全てを用い、総合的に検討した。
|
Research Products
(5 results)