2007 Fiscal Year Annual Research Report
寄生バチの回避機構を利用した昆虫の生体防御システムにおける多様性の解析
Project/Area Number |
18208005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 利治 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30227152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川北 一人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (90186065)
池田 素子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (20262892)
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Keywords | 顆粒血球 / プラズマ血球 / 異物認識機構 / アンキリン |
Research Abstract |
1)Meteorusに寄生された寄主では顆粒細胞が特異的にアポトーシスを起こすと前年度は結論ずけていたが、さらに調べるとアポトーシスを起こす前にもう一つの反応が起こっていることが明らかになった。異物に接着した血球は接着班および糸状仮足/葉状仮足を形成することで伸展する。伸展した血球をこの蜂の毒液で処理すると、わずか30分でカスパーゼ非依存的に接着班の消失および糸状仮足/葉状仮足の退縮による伸展阻害が見られ、in vivoにおいても同様の結果が得られた。血球の伸展は包囲作用において必要不可欠な現象であり、毒液はアポトーシスに先行して血球の伸展を阻害することで寄生初期の寄主免疫回避を行っていると考えられる。つまり、接着班の消失が、糸状仮足/葉状仮足の形成を阻害し、異物に付着できなくなった血球、特に顆粒細胞がアポトーシスを起こしていくことを明らかにした。 2)これまでで既に明らかにしたニューログリアン遺伝子の一部配列を使ってRNAiでつぶすと、ノジュール形成反応が抑えられると同時にメラニン形成反応の抑制が起こった。 3)異物排除システムでウワバ類は寄生バチの卵などを、腹部第9体節の表皮細胞がその卵の下に移動し、さらにクチクラを分泌することで体の外に出すことをin vitro 系を用いて明らかにしたが、その際に異物を認識し表皮細胞の移動に近くに存在する脂肪体が卵を取り囲むようにして表皮細胞の移動に大きく貢献していることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)