2008 Fiscal Year Annual Research Report
最先端技術による肥料効率の飛躍的改善と目的成分の供給
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18208007
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
三枝 正彦 Toyohashi University of Technology, 先端農業バイオリサーチセンター, 特任教授 (10005655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南條 正巳 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60218071)
鳥山 欽哉 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20183882)
木村 和彦 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (10183302)
渡邊 肇 新潟大学, 農学部, 准教授 (10292351)
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Keywords | 肥料の利用率 / 肥効調節型肥料 / rol-c遺伝子 / 接触施肥栽培 / 水稲 / 植物成長調整剤 / L-β-フェニル乳酸 |
Research Abstract |
作物による肥料効率を飛躍的に向上させるには肥効調節型肥料を用いて、作物根と肥料粒子の接触割合を向上させることが重要である。そこで両者の接触割合を高めるための作物側の改良(根量増加)と肥効調節型肥料を用いた実際の接触施肥栽培を検討し以下の成果を得た。作物根量の増加法:(1)この2年間、水稲に根毛増大遺伝子rol-cの導入を試みたが、草丈は矮化するが、根毛の増加は認められなかった。そこでrol-c遺伝子による不定根の誘発メカニズムは単子葉植物では働かないのではないかと考え、今年度はrol-c遺伝子のタバコへの導入を試みたが、根量の増加は明らかでなかった。(2)植物成長調整剤の根伸長促進物質であるしβ-フェニル乳酸(LBP)の水稲の茎葉生育や根系形成に及ぼす影響を検討したところ、LBP処理区の葉齢、草丈は対照区より有意に増加した。これに対して根数は両処理区で有意差は見られなかったが、最長根長や肥料成分の吸収に関係の深い表面積はLBP処理区で有意に増加した。有意差が認められた表面積を根の直径によって区分し検討したところ、太根では処理区間で有意差は認められなかったが、細根ではLBP処理区が50%程度有意に増加した。この表面積の増大が肥料効率を向上し、地上部の生育促進に繋がったものと思われる。また肥効調節型肥料の接触施肥栽培試験結果は(1)昨年に引き続き、茶樹の肥効調節型肥料封入スティック肥料による接触施肥栽培を検討したところ、茶の収量、品質を低下させずにNとして35kg/10aの施用量まで低減できることが明らかとなった。(2)マコモタケの肥効調節型肥料を用いた超省力的な不耕起全量基肥接触施肥栽培を試みたところ、速効性硫安区より、有意に本数、収量とも増加することが認められた。(3)アブラナ科作物のリン獲得根伸長を活用し、ダイコンの被覆リン酸一安を用いた接触栽培試験を検討したところ、14-23%の高いP利用率を得た。また白菜については22-42%と更に高いP利用率を得た.
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Research Products
(5 results)