2006 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶カテキン受容体を介したカテキンの機能性発現とシグナリングの統合解析
Project/Area Number |
18208012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立花 宏文 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (70236545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 由紀 九州大学, 大学院・農学研究院, 特任助手 (20390304)
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Keywords | カテキン / シグナル / 受容体 / 67LR / MYPT1 / 機能性 / 緑茶 / がん |
Research Abstract |
これまでに緑茶カテキンEpigallocatechin-3-0-gallate(EGCG)のヒスタミン放出抑制作用を仲介する細胞表面標的分子として67kDaラミニン受容体(67LR)を同定してきた。そこで、種々の緑茶カテキンの抗ヒスタミン放出抑制活性と細胞結合性における67LRの関与について検討した。 ヒト好塩基球様細胞株KU812において、ヒスタミン放出抑制活性を示すガレート型カテキンは細胞表面への高い結合性を示し、逆に抑制活性を示さない非ガレート型カテキンにはそのような結合性は認められなかった。また、RNA干渉法によりKU812細胞の67LR発現を特異的に低下させたところ、ガレート型カテキンの細胞表面に対する結合性ならびにヒスタミン放出抑制作用の低下が観察された。以上より、ガレート型カテキンのヒスタミン放出抑制作用には67LRへの結合が関与していることが示唆された。 EGCGが67LRおよびmyosin phosphatase(MP)活性調節サブユニットMP targeting subunit 1(MYPT1)を介して細胞増殖を抑制することを見出していたことから、MPの活性を制御するMYPT1のリン酸化に及ぼす67LRを介したEGCGの影響を検討した。 HeLa細胞において、 MPの活性を負に制御するMYPT1のThr-696およびThr-853のリン酸化に及ぼすEGCGの影響を検討した結果、 EGCGがThr-696のリン酸化レベルのみを低下させ、 Thr-853のリン酸化レベルには影響しないことを見出した。また、このリン酸化レベル低下作用はRNA干渉法による67LRの発現抑制により阻害されることを見出した。以上より、EGCGは67LRを介してMYPTI(Thr-696)リン酸化レベルを低下させることでMPを活性化し、細胞増殖を抑制することが示唆された。
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