2007 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶カテキン受容体を介したカテキンの機能性発現とシグナリングの統合解析
Project/Area Number |
18208012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立花 宏文 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (70236545)
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Keywords | 緑茶 / がん予坊 / カテキン / eEF1a / MYPT1 / 67LR / 受容体 / シグナリング |
Research Abstract |
67LRはEGCGを受け取り、細胞増殖抑制作用、抗アレルギー作用等の生理作用を仲介すること、また、その過程において、EGCGはミオシン軽鎖のリン酸化レベルを低下させるという細胞内イベントを明らかにしてきた。しかしながら、EGCGが67LRに結合した後、どのようにその作用が伝達されるのか、そのシグナル伝達経路については不明であった。そこで、フォワードジェネティクス的手法を用いて67LRを介したシグナル伝達に関与する細胞内分子の同定を試みた。 マウスメラノーマ細胞株B16にマウス胚由来の断片化cDNAライブラリーを導入し、EGCG存在下でも増殖可能となった細胞を複数クローニングした。こうして得られた細胞から導入された遺伝子断片を回収し、DNAシーケンスにより遺伝子を特定するとともに、各遺伝子断片の再導入し、EGCGに対する感受性が低下するか評価した。その結果、eEFIA(eukaryotic elongation factor 1 alpha)がEGCGの細胞増殖抑制作用に不可欠な遺伝子としてスクリーニングされてきた。eEFIAを過剰発現させたところ、EGCGの細胞増殖抑制作用およびミオシン軽鎖のリン酸化レベル低下作用が亢進した。一方、これらEGCGの作用はRNAiによるeEFIA発現の特異的ノックダウンにより消失した。さらに、マウス腫瘍モデルにおいて、コントロールB16細胞移植マウスではEGCG経口摂取により腫瘍の成長が阻害されたが、eEFIAの発現を抑制したB16細胞移植マウスでは阻害されなかった。これらの結果より、eEFIAはEGCGの細胞増殖抑制作用を伝達する細胞内分子であることが示された。
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