2009 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶カテキン受容体を介したカテキンの機能性発現とシグナリングの統合解析
Project/Area Number |
18208012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立花 宏文 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (70236545)
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Keywords | EGCG / 炎症制御 / TLR4 / Tollip / 感知遺伝子 / 67LR / マクロファージ / ATRA |
Research Abstract |
緑茶カテキンの主成分であり多彩な生理活性を示すEpigallocatechin-3-O-gallate (EGCG)によるがん細胞増殖抑制作用ならびにヒスタミン放出抑制作用に67-kDa laminin receptor(67LR)が関与すること、また、EGCGのin vivoにおける抗腫瘍作用に、eEFlaやミオシン軽鎖ホスファターゼの構成サブユニットMyosin phosphatase targeting subunit 1(MYPT1)をシグナルメディエーターとする67LRを介したEGCGシグナリングが関与していることを見出してきた(J. Biol. Chem., 283, 3050-3058, 2008)そこで本年度は、EGCGの抗炎症作用における67LRの関与とその作用機序について検討した EGCGは腹腔マクロファーシやマクロファーシ細胞株RAW264.7をLPSで刺激することで産生されるTNFα、IL-6、NOといった炎症メディエーターの産生を生理的低濃度(1μM)で抑制すること、また、その抑制作用が抗67LR抗体で細胞を処理することで消失することを見出した。そこで67LRを介したEGCGのLPSシグナリング阻害について検討したところ、EGCGはLPS誘導性のNFkB経路およびMAPK経路を阻害すること、さらに、LPS受容体であるTLR4の発現を転写レベルにおいて抑制することを見出した。一方、このTLR4の発現低下作用はEGCGの刺激後24時間後に観察されるが、EGCGによるNFkB経路およびMAPK経路の阻害はEGCG処理後1時間で観察されることから、別のLPSシグナリング阻害経路の存在が示唆された
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