2008 Fiscal Year Annual Research Report
単為発生マウスをモデルとしたインプリント遺伝子による個体発生制御機構の解明
Project/Area Number |
18208024
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
河野 友宏 Tokyo University of Agriculture, 応用生物科学部, 教授 (80153485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外丸 祐介 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 准教授 (90309352)
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Keywords | ゲノムインプリンティング / 単為発生 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
雌雄生殖細胞系列で行われるメチル化インプリントが、生殖細胞の個体発生支持機能の根幹を形成するゲノム修飾であることを一連の研究により実証してきた。二母性ゲノム胚(母性ゲノムのみを持つ2倍体胚)から正常な産子を再現性高くかつ高率(30%)に生産することに成功した。胎盤に焦点を当て、GeneChipマイクロアレイ解析による遺伝子発現プロファイルを作成して発現調節ネットワークの観点から検討した。その結果、6番および12番染色体の父性メチル化インプリント遺伝子、特にIgf2およびDlk1遺伝子の発現が正常化に集約されることが判明した。また、6番および12番染色体の父性メチル化インプリント領域を2重欠損した成熟マウスの卵子ゲノムと母性メチル化インプリントを欠いたマウス新生仔の卵母細胞ゲノムから作成した二母性胚も正常な産子に発生することを明らかにした。この成果から、完全な父性型ゲノムの存在は個体発生に不可欠ではなく、むしろインプリント遺伝子の発現が発現アレルに依存することなく2倍体ゲノムセットとして正常に修正されれば、胚は正常な個体発生を遂げることが可能であることが証明された。また、3種の遺伝子型(Igf2発現、Dlk1発現、Igf2およびDlk1発現)の二母性マウス胎盤のGeneChipマイクロアレイ解析および遺伝子発現ネットワーク解析から、正常な胎盤形成がIgf2およびDlk1遺伝子の発現の正常化に依存していることが明らかにされた。
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