2007 Fiscal Year Annual Research Report
生殖機能と摂食行動を制御する脳内のエネルギーセンシングメカニズムの解明
Project/Area Number |
18208025
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前多 敬一郎 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30181580)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野山 賀久 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (70324382)
|
Keywords | ケトン体 / 糖尿病 / 摂食 / LH分泌 / 乳酸 / 血糖値 / 脂肪酸 / エネルギー感知 |
Research Abstract |
1.上衣細胞におけるグルコースの感知機構に関する検討 AMP-activated kinaseのグルコース感知メカニズムにおける役割を検討した。APPKの作動薬により、LH分泌が抑制されたこと、また第4脳室上衣細胞においてAMPKのmRNAやタンパクの発現が見られたことから、低血糖を感知する過程において、AMPKが重要な役割を果たすことが明らかになった。 2.上衣細胞における指肪酸感知機構に関する検討 脂肪酸感知機構に関しては、,β酸化阻害剤を用いた検討から上衣細胞における脂肪酸感知には代謝経路が関与すること、またGPR40の作動薬を用いた検討により、膜受容体を介した経路の存在も明らかになった。 3.上衣細胞におけるケトン体感知機構に関する検討 実験的糖尿病モデルにおける過食がケトン体担体の阻害によりもとに戻ったことをさらに進め、繁殖機能や血糖値の改善についても検討した。その結果、糖尿病における過食はケトン体によるほか乳酸の増加も関与していることが明らかになった。またケトン体の増加は、LH分泌の抑制にも関与していることも明らかにし、ケトーシスが摂食の増加と生殖機能の抑制という2つの現象を同時に引き起こしていることが解明された。
|