2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18208026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀内 基広 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30219216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10193559)
木村 和弘 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30192561)
長谷部 理絵 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教 (70431335)
瓜生 匡秀 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 博士研究員 (00399990)
大島 正伸 金沢大学, がん研究所, 教授 (40324610)
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Keywords | プリオン / スクレイピー / DNAマイクロアレイ / BSE / 神経変性 / ミクログリア / アストロサイト |
Research Abstract |
プリオン病の神経病変形成を理解するためには、異常型プリオン蛋白質(PrP^<Sc>)の増幅過程で生じる宿主細胞自身の変化に加えて、アストロサイト、ミクログリアなどの神経細胞以外の神経組織を構築する細胞の変化を知る必要がある。そこで、昨年に引き続き、プリオン感染の初期過程を解析の標的として、PrP^<Sc>蓄積と病変形成に伴い変動する宿主因子を網羅的に解析した。Total PrP量でPrP^<Sc>の蓄積を評価した結果、Chandler株感染マウスの脳では、Obihiro株よりも早期からPrP^<Sc>の蓄積が起こることが明らかとなった。この結果は、Chandler株感染マウスでObihiro株よりも早くから宿主応答が起こることと一致した。DNAマイクロアレイ解析の結果から、cxc110、cxc113、CD14,CD44、CD52、CD68などのケモカインあるいは免疫系に関連する遺伝子の発現が感染早期から上昇することが判明した。この中で神経保護作用が報告されているcxc110に着目し、cxc110遺伝子欠損マウスにプリオンを接種して病態の変化を調べた。その結果、cxc110遺伝子欠損マウスでは野生型マウス比べ潜伏期が短くなることから、cxc110はプリオンの病態進行を抑える働きがあることが示唆された。一方、供試マウス数は十分ではないが、Cd14欠損マウスでは、野生型マウスと比較して潜伏期が延長することを見出した。これらマウスにおける詳細な病態解析は次年度実施する予定である。なお、マウスの感染試験が長期間を要することから、平成19年度は研究費を繰越して、感染実験を継続した。
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