2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼの分子認識に基づく難病治療薬のデザインと医薬化学研究
Project/Area Number |
18209005
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曽 良明 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 徹 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (70204980)
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Keywords | プロテアーゼ / 分子認識 / プロテアーゼ阻害剤 / ドラッグデザイン / 基質遷移状態 / β-セクレターゼ / プラスメプシン / HIVプロテアーゼ |
Research Abstract |
我々は基質遷移状態概念に基づいて,アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤のデザインと合成を行い,ヒドロキシメチルカルボニル(HMC)イソステアが,理想的な遷移状態ミミックであることを見いだし、低分子化も行ってきた。 プロテアーゼと阻害剤との相互作用解析に基づいて理想的な遷移状態ミミックであるHMCイソステアを含むジペプチド型HIVプロテアーゼ阻害剤をデザインすることにより,組織移行性の高い低用量抗HIV薬の開発をめざした.さらに,ジペプチド型低分子HIVプロテアーゼ阻害剤は,既存薬耐性ウイルスに効力を示しており,変異のパターンも異なっており耐性と副作用の問題点克服の可能性が示唆された。 このようなプロテアーゼにおける有用な阻害剤設計の方法論を,様々な疾病関連プロテアーゼに応用して,マラリア,アルツハイマー病などの難病克服を目指した分子認識に基づく治療薬のデザイン・合成と構造最適化・プロドラッグ等の医薬化学研究を行いその開発への指針を示した. アルツハイマー病治療薬をめざしたBACE1阻害剤研究においては、P2位にイソフタル型芳香族基を導入し、構造変換を進めて、ケリドン酸残基を有する新規小分子型BACE阻害剤の合成に成功した。 ATL治療薬をめざした、HTLV-1プロテアーゼ研究においては、オクタペプチドKNI-10161の小分子化を進め、ヘキサペプチドKNI-10166が阻害活性を有することを見出した。 マラリア治療薬をめざしたPlasmepsin阻害剤研究においては、高活性阻害剤KNI-10006をリードとして構造活性相関研究を進め、Ki値がnM以下という高活性の化合物KNI-10232を得た。 難病治療薬をめざして、分子認識に基づく阻害剤研究を着実に進めている。
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Research Products
(5 results)