2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18209013
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮田 真人 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (50209912)
|
Keywords | マイコプラズマ / 滑走運動 / 電子顕微鏡 / 力測定 / 細胞骨格 / 超分子構造 / 細胞接着 / 抗原性変化 |
Research Abstract |
もっとも速い速度で運動する、マイコプラズマ=モービレ(Mycoplasma mobile)と、ヒト病原菌であるマイコプラズマ=ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、トリ病原菌であるマイコプラズマ=ガリセプティカム(Mycoplasma gallisepticum)の3つを用いて研究を行い、以下の成果を得た(それぞれ(1-4)(5,6)(7))。(1)滑走のギアとして働いているタンパク質、Gli521の構造解析を進めた。分子は3つのドメインからなり、3本の長さ約120ナノメートルの腕から構成されていた。また、このタンパク質に結合して、運動に影響を与えるモノクローナル抗体を多数取得し、各ドメインのメカニズムにおける役割を考察した。(2)昨年度に見つけた、滑走装置の深部構造について研究を進めた。画像処理により詳細な構造とその大きさを明らかにし、質量分析により構成タンパク質を特定した。(3)マイコプラズマの個々の細胞が滑走時に足場に及ぼしている力とその方向を測定した。(4)滑走装置の進化的由来を議論するため、滑走装置以外の細胞表面に存在して抗原性変化を引き起こしているタンパク質、Mvsplの構造解析を進めた。片側が膜にアンカーされた繊維状の構造があきらかになった。(5)滑走の足のタンパク質である、P1アドヘジンタンパク質の精製方法を改善し、その活性と構造の解析を進めた。(6)滑走装置を支える細胞骨格である「ロッド構造」を観察する方法を再検討した。その結果、構成要素と考えられるタンパク質のそれぞれがロッド構造のどの部分を構成しているのかを調べることが可能になった。(7)トライトンで細胞を処理した後に電子顕微鏡で詳細に観察することで、細胞骨格構造が存在することを明らかにした。また、画像の平均化、マイコプラズマ=ニューモニエとの比較などを用いた解析を行い、細胞骨格構造の概要を明らかにした。
|