2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインによるCTL誘導・維持免疫プラットフォームの形成制御機序の解析
Project/Area Number |
18209016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松島 綱治 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (50222427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 真一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00313099)
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員(客員准教授) (80273358)
倉知 慎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00396722)
島岡 猛士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (90422279)
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Keywords | ケモカイン / CTL / 誘導 / 免疫記憶の維持 / 場 / Myeloid derived suppressor cells / マクロファージ / 好中球 |
Research Abstract |
1.抗原特異的メモリーCTLの反復感染応答における維持機構T細胞受容体トランスジェニックマウス細胞(OT-I)を用いて同一感染因子(LM-OVA)の反復感染応答におけるCTL細胞群の消長を検討した。一次メモリーではCD62LhiCCR7hiのいわゆるセントラルメモリー(TCM)様であり,二次および三次メモリーではCD62LoCCR71oのエフェクターメモリー(TEM)様であった。またその他のCTL表面マーカーであるCD127やKLRG-1,IFNgとTNFとIL-2を指標にしたサイトカイン産生能などと組み合わせて判断しても,一次メモリーはTCM,二次メモリー以降はTEM指向が強かった。ー度樹立されたメモリーCTLは感染応答を経るに従いTCM様からTEM様へと変遷し,異なる抗原経験回数のメモリーCTLが異なった個体内組織分布をとりうることを明らかにした。 2ケモカインによるCD11b+Gr-1+"Myeloid derived suppressor cells"の担癌宿主内動態制御マウス皮下腫瘍モデルで誘導される腫瘍浸潤MDSCsは,主に骨髄由来炎症性マクロファージと好中球から構成される事を明らかにした。これらの細胞は末梢組織での増殖応答は示さず,またマクロファージのターンオーバーは好中球より速いものであった。ケモカイン受容体CCR2欠損マウスでは,腫瘍浸潤細胞の構成がマクロファージ優位から好中球優位へと変化し,その一因として腫瘍局所におけるCXCL2およびG-CSFの過剰産生が示唆された。一方でこれらCCR2欠損マウスではエフェクターT細胞の誘導増強および腫瘍増殖の抑制を認めなかったことから,CCR2を標的としてMDSCsの腫瘍浸潤を制御するのみでは治療効果を得るのに十分ではないことが示唆された。
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