2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗血小板薬の薬効モニタリングの為の新しい指標の探索
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18209021
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村田 満 Keio University, 医学部, 教授 (50174305)
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Keywords | 抗血小板薬 / 血小板機能 / モニタリング / 臨床検査 / 血栓症 / 遺伝子ターゲティング / トランスクリプトーム解析 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は抗血小板薬の薬効予測やモニタリングに有用な物質を探索し、実際の臨床検査に応用することにある。そのために抗血小板薬服用者あるいは服用予定者からの血液サンプルを用いて抗血小板薬の反応性を予測しうる因子を探索する。また、探索により選定された因子に関しては遺伝子改変を幹細胞に施行し、in vitro分化誘導にて得た遺伝子改変血小板を対象に抗血小板薬との反応性を検討する。 平成19年度は1.抗血小板薬服用患者250名からのサンプル収集の前処置、血小板機i能データ解析を行った。その解析の結果、アスピリン服用群の約20%、P2Y12阻害剤服用群の約15%に抗血小板薬に対する不応(抵抗性)を示唆する結果を得た、2.血漿中のグライコカリシン(GPIb alpha受容体切断フラグメント)濃度がアスピリン抵抗性群で有意に低値を示していることを見いだした、3.血小板メタボローム網羅解析の基礎検討を行った、4.血漿あるいは血清を用いたプロテオーム解析の基礎検討を行った、5.ヒト正常造血幹細胞にGPIb alphaを強制発現あるいはknock down後、それぞれの細胞に対してin vitro分化誘導を行い、GPIb alphaの遺伝子改変血小板を得ることに成功した。またヒト正常造血幹細胞の代替として、皮下脂肪細胞を用いた検討においても遺伝子改変巨核球・血小板を得ることが出来た。 以上、研究2年目である平成19年度は患者サンプル収集・血小板機能データ収集、平成18年度にて得た血小板RNAトランスクリプトーム解析結果と文献情報を基に選定した因子であるグライコカリシンとアスピリン抵抗性の関連の研究、そしてプロテオーム解析のプロトコールの最適化に重点をおいた研究を遂行した。
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