Research Abstract |
研究参加施設の協力により,患者対照集団4,500例(脳梗塞1,000例,脳出血500例,対照3,000例)のDNAサンプルおよび臨床データを収集した。アテローム血栓性脳梗塞131例,対照135例について,SNPチップ(GeneChip Mapping 500KSet,Affymetrix)を用いたゲノム全領域関連解析を行い,アテローム血栓性脳梗塞発症と強之関連する(P<10^<-20>)SNPsを100個抽出した。これらのSNPsについて別の集団で関連解析を行い,発症に関連するSNPsを8個検出した。これらのSNPsの中でも,特に関連の強い上位3個のSNPsについて連鎖不平衡ブロックのシークエンスを行っており,アテローム血栓性脳梗塞発症に強く関連するSNPsを確定することにより,より精度の高いオーダーメイド予防システムを開発する予定である。 また,候補遺伝子アプローチによる202遺伝子多型の関連解析において,interleukin 6遺伝子多型がアテローム血栓性脳梗塞および脳出血の発症に強く関連することを見出した。interleukin 6遺伝子以外にもアテローム血栓性脳梗塞では7個の多型が,脳出血では8個の多型が発症と有意に関連した。さらに,98遺伝子多型について関連解析を行い,ATP-binding cassette,sub-family A,member 1遺伝子多型,interleukin-1 receptor-associated kinase 1遺伝子多型,c-rosoncogene 1,receptor tyrosine kinase遺伝子多型がアテローム血栓性脳梗塞の発症に,LIM domain kinase 1遺伝子多型が脳出血の発症にそれぞれ強く関連することを見出した。これらの多型に加え,アテローム血栓性脳梗塞では4個の多型が,脳出血でも7個の多型がそれぞれ発症と有意に関連することを明らかにした。
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