2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18209027
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千葉 勉 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30188487)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 則彦 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50419446)
|
Keywords | H. pylori / AID / 遺伝子変異 / NFκB / タイプ4分泌装置 / IFNγ |
Research Abstract |
新しく種々の遺伝子改変H.pyloriの供与を受けて、in vivo,in vitroのH.pylori感染実験をおこなった。 1)その結果マウスへの感染実験では、CagPAI-KO,CagE-KOヘリコはほとんど胃炎を生じず、さらにAIDの発現も誘導しなかった。一方CagA-KOヘリコでは、軽度の炎症が生じたのみであった。 2)一方in vitro実験では、CagPAI-KO,CagE-KOヘリコは、NFκB活性化、AID発現、遺伝子変異のいずれもまったく誘導しなかった。これに対してCagA-KOヘリコでは、NFκBの活性化は30%低下した。またAID発現は40%低下した。さらにp53遺伝子の変異頻度は、野生株に比してこれも25%低下した。以上よりCagAはH.pyloriによるNFκB活性化の約1/3程度を担っているのみで、主要な因子は別にあるものと考えられた。またこの因子はタイプ4分泌装置を介して細胞に導入されるものと考えられた。さらにH.pyloriによる遺伝子変異導入については、H.pyloriによるNFκBの活性化が中心的な役割を果たしているものと想定された。 3)CagA-KO,CagPAI-KOヘリコを感染させたC57blackマウスの脾細胞を採取してこれをH.pylori抗原と培養したところ、IFNγ産生か亢進した。このことからこれらのヘリコにおいてもH.pylori特異的なT細胞は産生しうるものと考えられた。 4)以上より、胃粘膜局所における炎症にはCagPAI、すなわち4型分泌装置は必須であり、AID活性化にも必須であることが明らかとなった。
|
Research Products
(20 results)