2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18209034
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294083)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (80283761)
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324762)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60346202)
|
Keywords | チロシンキナーゼ / アポトーシス / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
活性型チロシンキナーゼによる造血細胞の腫瘍化機構を明らかにするために、特発性好酸球増加症/好酸球性白血病の原因遺伝子FIP1L1/PDGFRα及びその変異体を造血幹細胞、骨髄系共通前駆細胞、リンパ系共通前駆細胞、骨髄単球系前駆細胞、赤巨核球系前駆細胞などに導入し、これらの細胞の系統決定、増殖、生存、腫瘍化に及ぼす影響を検討した。その結果、FIP1L1/FDGFRαは、いずれの細胞に導入された場合もサイトカイン非依存性の増殖を可能にするが、造血幹細胞に導入された場合のみ永続的な細胞増殖を伴う腫瘍化をもたらし、前駆細胞レベルに導入した場合には腫瘍化をもたらさないことが明らかとなった。また、リンパ系共通前駆細胞、赤巨核球系前駆細胞などに導入した場合、通常の造血発生の機構では起こらない好酸球への分化が誘導された。これらの結果から、FIP1L1/PDGFRαの異常は造血幹細胞レベルでおこり、好酸球系細胞への分化を選択的に誘導することが明らかとなった。また、造血幹細胞の自己複製の制御因子であるHOXB4の機能を増強しうるペプチドを考案し、ヒト臍帯血由来CD34陽性の造血幹細胞にサイトカイン存在下でペプチド導入した場合、通常のサイトカイン単独と比較すると、CD34陽性細胞が約2倍に増えること、ペプチド処理した細胞をNOD/SCIDマウスに移植した場合、サイトカイン単独で増幅した細胞より、より早期から、より効率よく造血を再構築することを明らかにした(Tanaka H, et al. Stem Cells 24:2592-2602, 2006)。更に、抗アポトーシス分子Anamorsinの発現を免疫染色法を用いて各種悪性リンパ腫症例において検討し、その予後との相関を解析した。
|
Research Products
(7 results)