2009 Fiscal Year Annual Research Report
循環器系人工組織のプレインプランテーションによる体内自己組織化
Project/Area Number |
18209042
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中谷 武嗣 National Cardiovascular Center Research Institute, 臓器移植部, 部長 (60155752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 哲二 大阪市立自然史博物館, 生体工学部, 部長 (50243126)
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Keywords | 生体内 / バイオロジックスキャホールド / 脱細胞 / プレインプラント / 自己組織化 / 吸収性血管 / 2回移植 / 補体活性 |
Research Abstract |
脱細胞技術を利用したバイオロジックスキャホールドや生体吸収性高分子材料を用いた心臓弁や血管の再生医療においては、移植後の内皮化、あるいは、平滑筋細胞や線維芽細胞の活発な浸潤が報告されているが、埋入初期段階における免疫反応や異物反応など問題は多い。また、移植血管が完全に自己化されるまでには長期間を有することも知られており、この間の血管壁の破損は、患者生命に直結する問題であり回避しなくてはならない。本研究では、これらの生体組織由来人工血管および合成材料製人工血管を「テンプレート」とし、生体にプレインプラント(前埋入)することで、十分な強度を有するin vivo自己組織化を促し、続いて適応部位に本移植するというストラテジーによって、危険性の少ない再生型移植組織を開発することを目的とする。 血管用の中空構造を有する多孔質スキャフォールドは、対象となるポリ乳酸誘導体からの電界紡糸法により作製した。プレインプラントにより電界紡糸特有のナノファイバー構造由来の活発な組織浸潤と自己組織化が確認され、血管壁強度が飛躍的に向上した。さらに、含水性と親水性を有するポリ乳酸誘導体のさらに細い繊維を利用すると、この組織浸潤が抑制できることが見出された。このことより、自己組織化促進と内膜肥厚抑制という2つの機能を有する二重構造体を作成するに至った。 超高静水圧印加処理法による脱細胞血管作成は、不純物の混入が無くウイルスも不活化できる安全な手法であるが、小口径血管に対しては血管壁が脆弱になる欠点があった。今回、ドナー体内へのプレインプランテーション操作により極めて短時間かつ効率よく細胞成分を除去できることを見出し、さらに、この細胞成分除去メカニズムとして補体成分の関与が明らかとなった。新たな、生体成分由来脱細胞法は、血管壁の構造・特性を高次に保存出来る優れた手法である。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Body mass index is a useful predictor of prognosis after left ventricular assist system implantation2009
Author(s)
Mano A, Fujita K, Uenomachi K, Kazama K, Katabuchi M, Wada K, Terakawa N, Arai K, Hori Y, Hashimoto S, Nakatani T, Kitamura S.
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Journal Title
J Heart Lung Transplant 28
Pages: 428-433
Peer Reviewed
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