2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮におけるPAR-1の機能解析および新規G蛋白質共役型受容体の検索
Project/Area Number |
18209045
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 富男 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (10134561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 昌弘 九州大学, 大学病院, 助教 (50380621)
庄野 禎久 九州大学, 大学病院, 講師 (00346793)
宮城 靖 九州大学, デジタルメディシン・イニシアティブ, 准教授 (10380403)
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / トロンビン / PAR-1 / RhoA / G蛋白質 / Endothelin-1 |
Research Abstract |
1.くも膜下出血モデルサギ脳底動脈におけるPAR-1発現にる関する免疫組織学的検討 ウサギ大槽内に自家血を注入し、くも膜下出血(SAH)モデルを作成した。SAH発症7日目にホルマリンで灌流固定し、脳底動脈(BA)を含む脳パラフィン切片を作成した。抗PAR-1抗体と抗αSMA抗体を用い、酵素抗体法にて免疫組織学的検討を行った。その結果、PAR-1の発現はBA平滑筋層において認められた。これより、SAHにおけるPAR-1発現亢進が、血管平滑筋層において生じていることが明らかになった。 2.くも膜下出血モデルサギ脳底動脈におけるRhoAの活性化に関する検討 活性化型RhoAはGTP結合型(GTP-RhoA)として存在する。そこで、ウサギBA細胞抽出液を、GTP-RhoA結合部位を有するプローブ(TATHA-RB)を用いてプルダウンアッセイし、ウェスタンブロット法で検出した。これをSAHモデル群とコントロールモデル群間で、densitometric analysisにより比較した。その結果、コントロールモデル群と比較し、SAHモデル群においては、GTP-RhoAの30%程度の発現亢進が認められた。これに対し、Total RhoAの発現には、両群間の有意差は認めなかった。SAHにおいては、活性化型RhoAの発現亢進が生じていると考えられる。 3.三量体G蛋白質Gαqの脳血管攣縮への関与に関する検討 ウサギBAのEndothelin-1(ET-1)収縮に対するGαq阻害薬(Y254890)の収縮抑制効果を、等尺性張力測定により検討した。SAHモデルとコントロールモデルのいずれにおいても、Y254890はET-1収縮を完全に抑制した(IC-50=33nM,78nM)。Gαqと共役するGPCRは他にも多く存在し、Y254890はそれらのGPCRアゴニスト収縮を抑制する可能性がある。
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Research Products
(3 results)